かくかく しかじか帳

藻の、思う・感じる・考えること

ずぼらをずぼらで解決する

 化粧を落とさずに寝る。ずぼらなのである。

 

 化粧を落とさないと、肌年齢がどんどん老いてしまうと聞く。そんなアドバイスを右から左に受け流して、はや何年が経っただろうか。朝風呂はであることを高らかに宣言したが、化粧をして寝て、朝化粧を落として、また化粧する。なんとも肌に悪い習慣である。夜お風呂に入れば自動的に化粧を落とすことになるのだが、朝晩風呂に入るのは面倒だ。湯舟は朝に浸かりたい。洗面所で洗顔だけして寝ればいいのだが、顔回りや部屋着の袖が濡れるのが嫌なのだ。なんともわがままな人間である。

 

 一方、三十歳になり、肌の調子が気になるこの頃。学生時代とは違って、ニキビなどの肌荒れは起こさなくなったものの、毛穴の開き・黒ずみ、小さなシミ、うっすらと入ったしわが気になってきた。これまで肌を労わらなかった蓄積のように思える。今更取り戻せるとは思わないが、せめて化粧だけは落として寝よう。そうしてAmazonで購入したのが、クレンジングウォーターだった。

 

 コットンにクレンジングウォーターを含ませて、肌の上を滑らせる。普段浴室で使っているクレンジングオイルと比べて、化粧の落ち具合が弱いのではないかと危惧していたが、想像以上に軽い力で化粧が落ちる。マスカラなんかも、普段はオイルが目に入るのが怖くて、落としきれないことが多いが、コットンを当てる角度に気を付ければ、オイルをつけた手よりもきれいに落ちた。

 

 化粧を落とした後は肌のツッパリはないが、乾燥が気になるのでオールインワンジェルで水分補給。ここで化粧水と乳液の二段階の工程を選択しない点も、ずぼらな私ならではの手抜きだ。加えて重要なことは、これらのスキンケア用品を枕元に置くことだ。お菓子の空き箱にケア用品を入れて、布団の中から手が届く位置に設置。最悪布団に入って横になってもできる化粧落とし。ずぼらなわたしの最終手段だ。

 

 なぜ早くこれを取り入れなかったのだろうか。化粧を落とすのも面倒くさい。面倒くさくない化粧落としの方法を調べるのも面倒くさい。そんなずぼらな思考のとどのつまりだった。

 

 ずぼらな自分は変えることができなくても、ずぼらな方法で自分を変える術を見つけられたのは、ずぼらな私にとっては幸運だったと思う。大抵の方は化粧を落として寝る方ばかりと思われるため、この体験が誰かの役に立てるかといったら怪しいが、同じくずぼらの方々の参考になれば幸いである。