かくかく しかじか帳

藻の、思う・感じる・考えること

親が元気なうちに、やっておきたいこと

 一週間、実家に帰省した。

 

 朝起きて、おはようと言うこと。

 

 父の作った朝ごはんを食べること。

 

 母と一緒に散歩をすること。

 

 リビングで居眠りすること。

 

 テレビを囲んで、言いたいことを言いあうこと。

 

 お風呂に入る順番を決めること。

 

 明日の予定を聞くこと。

 

 おやすみと言って、寝ること。

 

 どれも、なんでもない日常の出来事だ。だが、なんでもない日を両親と過ごすのはいつぶりだっただろうか。

 

 進学を機に実家を出た。社会人になってからは、用事がないと実家に寄らなかった。結婚を機に飛行機で移動する距離まで遠のいて、年に一回しか帰省しなくなった。

 

 今回の帰省は友だちの結婚式に出席するためだったが、離職中なので、一週間ほど実家にお邪魔することにした。働いていたとしたら、両親となんでもない日を過ごすために、一週間も帰省しただろうか。きっと、両親のどちらかに健康問題が発生しない限り、有給を使ってまで長く滞在することはしなかっただろう。

 

 両親と一方的に距離を置いていた時期もあったが、実家に帰って子ども扱いされる温かさに、親の愛情を感じた。いつまでも子ども扱いしないでと、反発していたはずなのに。

 

 あとどのくらいの時間を親と過ごすのだろうか。その時親は元気だろうか。そう考えると、この一週間はなんでもない時間でもあり、なににも代えがたい時間だったのかもしれない。